使えない資格とは?|資格商法に騙されないために…
資格取得を検討する場合に、
「ちゃんと使える資格を取得したい…」と思うのは当然のことですよね。
それなりの時間と努力とお金を費やすのですから、使えない資格、取っても意味のないような資格を選んでしまうことだけは避けたいものです。
こちらでは、
使えない資格とはどういったものなのか、きちんと役立つ、使える資格を選ぶにはどうしたらいいかについて詳しく解説していきたいと思います。
INDEX
「こんな資格は使えない!」就職や独立に使えない資格の例
まずはわかり易い例として、使えない資格の代表的なものをいくつか挙げていきます。
通訳案内士 | 難関資格の割に就職案件が少なく、取得した甲斐がない資格の代表 |
---|---|
整理収納アドバイザー | 主婦のお小遣い稼ぎ程度であれば良いが、趣味の領域に近く就職には使えない資格 |
医療事務 | 無資格でも就職できる上、資格所有者多数で供給過多の状態 |
大型特殊二種・けん引二種 | この免許の対象となる車が日本にあまり存在せず、活かせる求人がない |
メンタル心理カウンセラー | メンタルヘルス系の資格は増殖しているが、どれもほぼ使えない資格 |
調剤薬局事務 | 資格がなくても出来る、医療事務流れが多く、求人案件も少なめ |
定年力検定 | マイナーであり、就職に使える資格とは言えない |
珠算検定 | 基礎的な計算能力を鍛えるのにはいいが、就職時には役立たない資格 |
個人情報保護士 | 求人案件は皆無の使えない資格 |
野菜ソムリエ | 栄養士や管理栄養士の資格と組み合わせない限り、趣味の域を出ない |
介護事務 | 介護施設で、事務職の募集がほとんど無いので取得しても就職には使えない資格 |
ファスティングマイスター | 酵素ダイエットブームに乗じて開設されたが、資格取得を条件とした求人は少ない |
よく一緒に読まれている記事: | |
---|---|
資格は転職に役立たない…? |
「使えない資格」と「使える資格」の違いとは
資格に関して「使える」「使えない」などと言われますが、どういうことなのでしょうか。
何がどうなったら使えて、逆にどうであれば使えないのか。
この点をまず確認しておきましょう。
資格取得の目的
資格の「使える」「使えない」は、「取得してどうしたいのか…」という目的によっても異なります。
たとえば、
資格マニアの方が自己満足のために取得を目指すのと、就職活動を前にした方が有利になるように取得を目指すのとでは違うでしょう。
そこで、世間一般の評判に流されるのではなく、資格取得へ向けた自分自身の目的をはっきりさせておくべきです。
ここでは「使える資格」の意味を、主に就職や転職、独立開業、仕事上のスキルアップ、そして収入増に結びつくものと捉えます。
使えない資格を取るのは何が無駄?
使えない資格を取得するのは、当然のことですが、無駄です。
では使えない資格を取得するとどんなリスクが伴うのか、改めてみておきましょう。
お金の無駄
資格取得を目指すには、いろいろな費用が掛かります。
通学や通信教育の学費、資料代、受験費用、交通費など、全てを合わせると馬鹿にできない金額となります。
それだけの費用を掛けて、キャリアアップに結びつかない、あるいは収入が僅かにしか上がらない資格を取得しても、回収できません。
これは、お金の無駄と言っていいでしょう。
時間の無駄
資格取得までには、数ヶ月から数年ほどの時間も掛かります。
中には数日から数週間ほどで取得できる資格もありますが、そうした誰にでもすぐ取れる資格は、持っていることにあまり意味のないことがほとんどです。
時間というのは貴重な資源です。
使えない資格を取得するのに費やした時間を別の勉強や労働に充てていたら、もっと収入は増えたかも知れないからです。
労力の無駄
資格取得には、その資格にもよりますが、受験勉強するにあたり大きな労力とモチベーションが必要になります。
使えない資格を取得するために、そういった労力を費やすのは本当に無駄としか言えません。
使えない資格とはどんな資格?
資格選びで注意したいのが、人気があって華々しく見えるからといって、使える資格とは限らないことです。
むしろ、
資格取得後の実態を見ると、事前の評判とは正反対であることも少なくないのです。
資格を取らせたい側の一方的な思惑に乗るのではなく、自分にとって本当に必要な使える資格を見極める力が求められます。
そこで、「使えない資格」とはどういうものなのかについて、具体的にみていきましょう。
こんな資格は使えない!無駄な資格@
誰にでも簡単に取得できる資格
資格とは、多かれ少なかれ「独占性」を有するものです。
すなわち、
その資格を持っている者だけが業務に従事できる(業務独占資格)
肩書を名乗れる(名称独占資格)
法律上の必置資格者として計上される(設置義務資格)
といった形で分類されているのです。
簡単に取得できる資格の中には、特に試験などがなく、指定された講座を受講するだけでほぼ100%合格できるものもあります。
そうした資格は、この独占性というものに欠けるのです。
そうすると資格を取得することの旨味が乏しく、無駄となってしまいます。
例えば・・・
整理収納アドバイザー
あくまで民間資格ですし、この資格を持っているからといって、部屋の整理を任せようという顧客もなかなか現れません。
食生活アドバイザー
食生活の総合的な知識は一定程度身につきますが、飲食業界や福祉業界への就職に役立つような資格ではありません。
こんな資格は使えない!無駄な資格A
需要(活かせる場)に乏しい資格
いくら資格取得者が少なくても、また難関資格だったとしても、肝心の活かせる場がなければ無駄となってしまいますよね。
資格はその業務に対して需要があり、あくまでも顧客があってこそ真価を発揮するものです。
人気があればいいというものではありませんが、取得を目指そうとする人が少ない場合にも、需要が乏しいという理由があるのかも知れません。
例えば・・・
大型特殊二種・けん引二種
運転免許といえば「使える」資格の代表格ですが、例外もあります。
この免許の対象となる車が日本にほぼ存在せず、活かせる場がないためです。
よく一緒に読まれている記事: | |
---|---|
資格は転職に役立たない…? |
こんな資格は使えない!無駄な資格B
一般にあまり知られていない資格
資格というのは、ある程度の歴史や権威に裏打ちされることで力を発揮することが多いものです。
そのため、新興の民間資格やマイナー資格は、資格マニアの楽しみとしてはともかく、実用性という点からみると無駄と化してしまうのが一般的といえるでしょう。
もちろん、これから先、広く知られるようになる可能性もありますが、少なくとも現時点では「使える資格」とは言い難いのが実情です。
例えば・・・
定年力検定
定年後に必要な経済的基礎知識を認定するというものですが、マイナーであり、就職に使えるとは言えないところです。
太陽光発電アドバイザー
太陽光発電の営業の際に箔を付ける程度の役には立ちますが、資格保持者だということが何かを保証するものでもないのが現状です。
こんな資格は使えない!無駄な資格C
一過性の流行りの資格
資格というのは肩書であり、ある意味ではハッタリを利かせるという側面もあります。
ですから、話題性やブームに乗って様々な資格が登場してくることも…。
映画やドラマで特定の職業が扱われ、流行ることがありますが、それの資格版と考えるとイメージしやすいでしょう。
しかし、きらびやかなイメージだけで資格を取得しても、高額な費用や更新料、年会費ばかりが掛かり、就職や転職にはほとんど使えない、無駄なものとなることも珍しくありません。
例えば・・・
野菜ソムリエ
広告により一気に知られるようになった野菜ソムリエですが、栄養士や管理栄養士の資格とは異なり、趣味の域を出ないというのが現状でしょう。
ファスティングマイスター
一時の酵素ダイエットブームに乗じてファスティング〇〇という資格がいくつも開設されましたが、資格取得を条件とした求人などは皆無。
こんな資格は使えない!無駄な資格D
将来的に需要がなくなっていく資格
現在の時点では使える資格だったとしても、世代や人口の減少、技術の発展などによって今後需要が乏しくなってゆくものもあります。
基礎教養としてなら大切でも、「資格」として就職や転職の時にアピールできるものではなくなっていくのです。
取得する資格を選ぶ際には、末永く使えるのか、自分がいつまで使いたいのかを踏まえておく必要があります。
例えば・・・
珠算検定
言わずもがなですが、そろばんで仕事上の計算を行う機会もなくなりました。
基礎的な計算能力を鍛えるのにはいいですが、就職時には役立たない資格です。
秘書検定
元々男性が取得してもさほど活用できない秘書資格ではありますが、男女共同参画社会が実現するにつれて、秘書が女性であるべきという観念は薄れつつあります。
こんな資格は使えない!無駄な資格E
実務経験が伴わなければ使えない資格
就職や転職、キャリアアップを目的とした資格の取得でもっとも注意すべきなのは、実務経験との兼ね合いです。
例えば・・・
行政書士・司法書士
開業用の資格であるため、誰かに雇われることを目的とするのであれば避けたほうが無難と言えるでしょう。
他の関連資格と組み合わせるのが鉄板です。
悪徳な資格商法に注意!
資格商法とは、要は就職や転職、業務の斡旋をエサにして、高額な授業料や教材費を徴収するというものです。
実際に仕事へ繋がるならいいですが、資格を得られたとしても役に立たず、無駄になってしまうことがほとんど。
特に、資格による独占業務も何もない民間資格で、受講料や年会費、更新料といった名目でお金だけは支払わせるというケースには気をつけるべきでしょう。
資格取得に当たって絶対に失敗したくない、騙されたくないという方は、就職割合や平均年収、国家資格・公的資格・民間資格の区別などを予め調べることをおすすめします。
使えない資格に引っ掛からないために
使えない無駄な資格に時間や労力、金銭を割かないようにするためには、本当に使える資格とはどういうものかを知り、自分の目的を明確にすることが重要です。
自分に合った「使える」資格を得るためには、将来の展望をも含めた、きちんとした下調べを行うことが大切といえます。
使える資格をどのように選べばいいかは、別記事で詳しく解説していますので、そちらも参考にしてください。
よく一緒に読まれている記事: | |
---|---|
資格は転職に役立たない…? 資格を取ったら転職活動はうまくいく・・・というのは幻想なのかもしれません。取得者の多い供給過多の資格は(…) ≫ 効率の良い転職活動のススメ |